R56を探し始めると、同じ丸いボディの中にずいぶん違う性格が並んでいることに気づきます。街を軽やかに走るOne、ちょうどいいCooper、勢いのあるCooper S、そしてJCW。欲しいのは最高出力ではなく、自分が何度でも乗りたくなる味です。
まずはここだけ
- OneとCooperは、軽さと日常で扱い切れる楽しさが主役。
- Cooper Sは1.6Lターボとボンネットスクープが目印。
- JCWは2008年からBMW Groupの正式な高性能モデルとして日本へ導入された。
MINI WAYPOINT NOTE
速い順ではなく、好きな時間の順に選ぶ。
OneとCooperは、街の速度で気持ちいい。
OneはR56の入口ですが、楽しさの入口という意味ではありません。細いタイヤと穏やかな出力は、アクセルをしっかり踏み、車の軽さを使って走る面白さにつながります。派手さより、近所の道をきびきび走る小さなMINIが欲しい人に似合います。
Cooperは、R56らしさを最も素直に味わいやすい中心グレードです。自然吸気の1.6Lはターボのような一気の力ではなく、回転を上げながら速度を乗せていくタイプ。赤信号から次の曲がり角まででも、ハンドルとアクセルを丁寧に扱う楽しさがあります。
いちばん速いR56より、自分がいちばん遠回りしたくなるR56を。
Cooper Sから、景色の流れが少し速くなる。
Cooper Sは1.6Lターボとボンネットスクープを備え、踏み込んだときの厚みがぐっと増します。高速道路への合流や坂道では余裕があり、ワインディングでは短いボディを力強く押し出します。見た目も走りも「Sらしさ」がはっきりしているのが魅力です。
そのぶん、タイヤやブレーキ、過去の使われ方まで丁寧に見たいグレードでもあります。速さに惹かれたら、冷間始動から試乗まで急がず確認する。きちんと整ったSは、穏やかに走っても機械の張りが感じられます。
JCWは、毎日必要ではないからこそ欲しくなる。
2008年、日本へ正式導入されたJohn Cooper Worksは、専用のチューニングとブレーキを持つ高性能版です。音、加速、ステアリングの手応えまで濃く、短い移動でも気分を切り替えてくれます。合理性だけで選べば過剰でも、MINIを趣味として楽しむなら、その過剰さが理由になります。
どのグレードにも、その車なりの気持ちよさがあります。通勤路で回し切れるOne、バランスのいいCooper、余裕のS、特別なJCW。普段走る道を思い浮かべ、そこでいちばん笑顔になれそうな一台を選ぶ。それがR56の正しい楽しみ方だと思います。
試乗では、速さより自分との距離を確かめる。
同じ道を走れるなら、低速でのアクセルの反応、段差を越えたときの収まり、駐車するときの扱いやすさを比べます。SやJCWの力強さはすぐ分かりますが、毎日付き合うのは渋滞や住宅街を走る時間のほう。そこで落ち着いていられるかも、立派なグレード選びの基準です。
タイヤサイズや足まわりの仕様、前オーナーのカスタムでも乗り味は変わります。グレード名だけで想像した性格と実車が違うこともあるので、一台の印象をR56全体の答えにしないこと。できれば複数台へ乗り、降りたあとにもう一度乗りたいと思った車を覚えておきます。
掲載写真BMW Group PressClub / P90107758写真の提供元
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